訪問看護ステーションの大規模化について


少子高齢社会による急激な社会変化によって、家族構成や健康課題、価値観や人生観などが多様化・複雑化し、訪問看護師の役割や期待は更に大きくなっていきます。
このような社会情勢を鑑みて2013年に、全国訪問看護事業会、日本訪問看護財団、日本看護協会の3団体で構成する訪問看護推進連携会議では「訪問看護アクションプラン2025」を策定しました。その中で、①訪問看護の量的拡大、②訪問看護の機能拡大、③訪問看護の質の向上、④地域包括ケアへの対応、の4つを軸とした指針を示しています。

2014年の診療報酬改定では「機能強化型訪問看護ステーション」が制度化され、訪問看護ステーションの大規模化が推進されています。機能強化型訪問看護ステーションの指定要件は、常勤看護職員数や24時間体制での終末期・難病等の利用者への看護実践、居宅介護支援事業としてのケアマネジメント、地域活動や医療機関との共同などで、訪問看護師の機能拡大や訪問看護ステーションの規模拡大が期待されています。

なぜ大規模化が必要なのか

このような社会的ニーズに伴って、訪問看護師の役割や機能の発揮に大きな期待が寄せられています。身体と心、生活や療養者の周囲の人々をも含めて療養者を全人的に看て、ケアを行い、「その人らしく生きる」ことを支えていく看護職だからこそ、看護の力をフルに発揮して、これからの地域共生社会を支えていくという責任と誇りもって、それぞれの地域特性の中で、多職種連携のもと活動を深めていく時代であり、そのためには、訪問看護師の人材確保と育成と同時に、訪問看護の質向上、ICT化による業務の効率化や働き方改革などが求められます。このような課題をクリアしていくためには、様々な課題があり、ある程度の事業所規模があったほうが体制を整備しやすくなります。

全国訪問看護事業協会が考える大規模化

当協会が考える大規模化は、①事業所運営の基盤整備、②利用者の状況に応じた専門的なサービスの提供、③多職種・他機関との連携、④誰でも安心して暮らせるまちづくりへの参画を軸としています。訪問看護ステーションの質の確保と安定的な事業運営、職員の定着、地域貢献を実践するために当協会では、訪問看護ステーションの大規模化を推進しています。

 

○大規模化の詳細を訪問看護ステーションニュース記事でご覧いただけます。
訪問看護ステーションニュース160号「訪問看護ステーションの大規模化について」(2021年5月号)(PDF)

○図のダウンロード
図「訪問看護の推進と質の向上のための大規模化の推進」(PDF)